韓国アパレルECの背景

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お買い物天国・ネットショップ天国と呼ばれるお隣の国、韓国。

なぜ韓国は買い物の天国なのか?それは言わずと知れたアジア最大級のアパレル問屋街「東大門」(トンデムン/トンダイモン)の存在が大きいです。ソウルに行ったことがある方は知っている方も多いでしょう。「東大門」は東京ドーム13個分の敷地におよそ17000軒以上の卸問屋が密集し、毎日たくさんの最新商品を生み出す巨大問屋街です。
今では、ソウルの人気観光地の一つにもなっており、ショッピングモールやホテル、免税店なども多くなりましたが、広い敷地には観光客が足を踏み入れにくい問屋街ゾーンが存在します。

 

IT先進国 韓国

IT技術が進んでいる韓国は1990年代から急激にネットショップが増え、1990年後半には社会問題にまで発展しました。その理由は、IMF危機があった1997年 韓国の経済悪化により若者の就職難が背景にあります。その時、職につけない若者がこぞって始めたのがネットショップ。

巨大な仕入れ先が身近にある韓国の若者は皆ネットショップを立ち上げ、景気が悪くなった問屋街も少数の卸売りを自発的に行いました。それらにより在庫を抱えずサンプル品だけを仕入れて撮影をし、ショップに掲載した後、注文が入れば当日仕入れに出向く、いわば受発注形式の運営をするネットショップが増え、ネットで人気の商品は皆マネをして売り出し、必然的に値下げ競争に入ります。

そういう背景もあって韓国のネットショップの販売価はとても安く、仕入れ代金+数千ウォンの利益を乗せて販売しているところが多いです。人口に比べネットショップが多すぎる韓国のEC業界ですが、20年経った今でも入れ替わりが激しいのが現状です。

そんなネットショップが盛んな韓国は撮影スタジオも数多く、日本に比べ大変安価で可愛らしいスタジオが多いです。そして、ネットショップ用のモデル派遣事務所も存在し、日雇いカメラマン、野外撮影専門のクルー派遣なども存在します。

 

 

人気の高い韓国ファッション

韓国ファッションはアジアでも大変人気が高く、日本でも高い人気を誇ります。中国製より高めの韓国製品ですが、韓国の人件費が高いのもありますが、中国製との明らかな違いは「生地」にあります。

韓国製の生地は日本製に劣らないくらい高品質で素材が良いのが特徴です。そして、デザインの細やかなディテールによりラインが美しいのも人気の高い理由です。韓国の若手デザイナー達は安価に仕上がるデザインよりもクオリティー高い商品展開に誇りを持ち独自ファッションを貫いています。

そんな中で、長年安価な商品展開に主力を上げてきていた韓国内の工場達は1980年代頃から徐々に中国進出を果たし中国内で工場を設け商品生産を展開するようになりました。そういうこともあって、中国産でも品質の良い物の多くは韓国人オーナーの工場が多く、中国で生産したものを東大門で卸している問屋さんも数多く存在します。それにより、東大門の商品は韓国産だけでなく、中国産の商品も数多いです。

また、中国から韓国への輸送費は中国から日本への輸送費より かなり安く、ほとんどが船便や空輸を使いますが日本に送るよりも1/3ほどの値段なので、日本で仕入れられる中国製より、韓国で仕入れる中国製の方が安価なのもそういう輸入コスト面からの理由があります。

 

K-POPで存在感を強調

国家事業として主力を上げているK-POP。コンテンツ産業輸出の一環として韓国政府はK-POPを強力に支援しており、今ではアジアだけではなく世界規模で認められ人気の高いK-POPですが、同じく韓国ドラマも海外で爆発的な人気を誇ります。これらにより韓国ファッションのブランディングに大きな影響を与え、指示されるようになりました。

物価の安い台湾やベトナム、タイでも韓国ファッションが指示され、高い値で販売されています。同じく大きな問屋街を持つ中国さえも、クオリティーの高さや高品質の理由で富裕層には韓国ファッションが人気なのですが、売れる商品ならすぐさま真似をする中国に韓国はどのように対処しているのか?

韓国のネットショップでヒットアイテムが生まれると、その商品画像と共に破格でタオバオで売られる理由は、中国のコピー能力があってこそで、その早さは群を抜きます。通常なら、実際の商品を研究しコピー品を作るはずが中国は実際の商品を見ることなく、韓国のネットショップに上がっている商品画像だけで似た商品を作り、本家の商品画像を使用したまま販売してしまうショップも数多くいます。これらにより、商品画像と実物が違う・・・などの問題が引き起こるのですが、これらはあくまでも実物を見ずに雰囲気で真似たコピー商品であって、使われている商品画像もパクり(無断使用)のことが多いです。

 

 

スピードで勝負する

パクり、パクられのアパレル業界。韓国アパレル工場達は口を揃えて「もう気にしない、うちもパクる事あるし…」って言葉を濁しながら言います。韓国アパレル生産業界に12年間いた私が思うに、今の韓国アパレル展開の裏側にはFOREVER 21(フォーエバー トゥエンティーワン)の存在が大きいように思えます。FOREVER 21(フォーエバー トゥエンティーワン)は創立当時の名称はFashion 21(ファッション・トゥエンティーワン)」で、ロサンゼルス郡内に住む韓国系移民の若者向けに作られたブランドなのだけれど、東大門のメーカー達はFOREVER 21に大きい刺激をもらったように思えます。

一部噂ではFOREVER 21は立ち上げ当初、東大門の服をアメリカの韓国系の人達に売っていたのがきっかけだと東大門の老舗達は言うのだけれど、それが事実かはさておきFOREVER 21のように豊富な商品展開を早いスピードで行うことが勝つ道と悟ったそうです。中国に真似されることを恐れずスピード勝負。コピーされる頃には新しい商品を生み出すことにシフトする。

この背景もあって、東大門の商品は商品展開が異常に早く、早いところは3日に一度は新作を出し、売れない商品は初回生産のみで打ち切り、再生産せず次のデザインへ移行します。

そんな韓国と中国を隣国にもつ日本ですが、EC先駆けの韓国やEC流通額世界1位になった中国の悪い例は学び、良いところは上手に使いながら日本マーケットに合った展開をしてほしいなと思います。

 

 

 


Author
1981年生まれ。服飾デザイン専門を学び10代は109店員を経て23歳で独立。 韓国と日本にアパレル専門法人を設立し韓国と中国にて生産や仕入れを行い日本にて仲卸業と物販を12年間経営。物販から引退を決意し2015年ショップ売却後、長年の経験とノウハウを沢山のバイヤーに届けるためにバイヤーのための情報サイト【BUYHOW】を立ち上げる。